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『恋がさくころ桜どき』感想

Posted by 凪薊 on 21.2014 0 comments 0 trackback
攻略に2週間かかった作品は珍しい。 とはいっても原因ははっきりしてるのですが。

どうも、凪薊です。 この書式で書くのも久しいですね――という話は置いておいて、さっそく本題に入っていきましょう。


※注意
ここから先はネタバレを多く含みます。 攻略完了した方、もしくは攻略はしないけど、内容は知りたいという人はどうぞ。
ネタバレが嫌という方は、恐れ入りますが、他者のレビューをご覧ください。
尚、私の主観が多分に含まれておりますのでご了承ください。 



ぱれっとの新作という事で期待している人が多かったであろう今作。 『ましろ色シンフォニー』以降、微妙な作品が続いていたので、久々のぱれっとらしいものが出てきたという印象だった。
もっとも、原画師の効果というのは作品に置ける重要なファクターになっているのは確実。

概要
「恋ができないおんなのこ。恋に興味すらないおとこのこ。そんな二人が恋に落ちたら、世界はどう変わるんだろう?(公式、ストーリより)」

ある理由により恋ができない(または興味が無い)ヒロインと、これまたある理由により恋に興味が無い主人公との関係を描いた今作。 その理由については、後述のストーリーの項で書くとして。

杏・美桜・夕莉・こなみのメインヒロイン4ルートに加え、杏ルート後解放のティナルートの全5ルート構成で1ルートあたりの攻略時間は3-5時間程度といったところでしょうか。 ・・・攻略に時間をかけすぎたので一概には言えないですが。
攻略順番は特にどれからしたほうがいいというのはないですが、連続性を持たせたいのであれば杏ルートは最後に回すべきかもしれない。 杏ルートが今作の核心(=ティナのこと)を語ってるので。
ちなみに私は、杏→夕莉→美桜→こなみ→ティナ の順でした。 杏→ティナにした方がよかったと思った由縁。

ストーリーとシナリオ
・共通
ルートにおける分岐ポイントは1カ所。それぞれのヒロインの攻略が可能になるかどうは、全員分の選択肢が出る部分以前に各ヒロインごとに選択氏があるので、そこの選択肢を好印象の物とし、最後の共通選択肢でセーブすればそこからのリスタートが可能になる。
よってメイン4ルートは2回選択肢がありますが、実質分岐は共通分岐の1カ所のみと判断していいと思う。

共通の段階では、主人公の恋ができない理由が明かされます。(公式のストーリーでもすでに書かれてますが)
保健室で、恋の相談を請け負っていた主人公。その話を聞いて行くうちに「恋なんてするもんじゃない」と思うようになり、恋をすることに消極的についには興味すらなくなっていった。 これが彼の理由。
実際、作中でも様々な恋の相談の場面を見ることができます。 ”初恋の人がいるけどどうしたらいいか”といったメジャーなモノから、嫉妬・妬みを含んだものまで。 確かに、そんな話をずっと聞いていれば恋なんてするもんじゃないと思うのは無理ない。

他にも、杏による生徒会の勧誘などもあります。夕莉・美桜・こなみは杏にいいように言いくるめられて生徒会・風紀委員・将棋部という異色の合同が発足する。 主人公は幼馴染・妹が入るといったように外堀を埋められる形で入ることになるのですが・・・それにしても、杏のむちゃくちゃっぷりはすごいね。

・夕莉ルート
風紀委員に所属し且つ風紀委員長(代理)でもある月嶋夕莉。 本来の風紀委員長は恋愛したことにより、自ら風紀を乱すかもしれないと委員長を辞任した模様だが、当の夕莉は戻ってくるまでの代理として今の職を務めている。
ドラマのキスシーンを見て顔をそむけるほどの潔癖症で恋愛に対しても否定的。 恋愛に対して否定的なのは風紀委員として、生徒の模範になるためかと思いきやそれが直接の原因ではなかった。

夕莉が恋ができない理由は、過去に、花と一緒にいたところを男子に比較されたこと。 
比較していた男子は見た目重視で見ている点もあり、夕莉にとってそして花にとってもある種トラウマとなっていた。
ストーリー中でも、その点を含めた花からのきつい言葉・シリアス気味なシーンはあります。 もっとも、花からすれば大切な妹が見た目で判断されて付き合っていたなんてことになればそれは絶望でしかないわけです。
そこで、主人公を試すかのように仕向けるわけですが・・・夕莉に変装するもあっさり見破られ、主人公がしっかりと裕里の事を見てるという事を確信する。

そこで解決かと思いきや、前述したシリアスシーンの前に、とある記事が掲示板に張り出されその記事が原因で夕莉と主人公は表立って付き合う事が出来なくなり、ついには別れることに。 とはいっても、問題が解決した後に元に戻るんですけどね。

なお、書いてはいませんが、このルートでは花と夕莉の姉妹愛をとても感じることができます。 夕莉を散々言ってる花ですが、いつも夕莉のことを一番に考え、そして行動していると思うとそれはもう素晴らしいものですね。
無題1347

ところで、このルートではしょっちゅう夕莉の和風メイド服を見ることができるのですが・・・流石読モに選ばれるだけはありますね、とってもかわいい。 青髪に青の和風メイド服がとても似合っていて私はすごく好きですよ。

Hシーンは3つ
シチュエーションは、主人公の部屋・生徒会室での和風メイド服着衣・プールでのご奉仕 となります。
どれもエロ可愛くていいのだけど、やっぱり着衣が一番じゃないかな。
何かを着てえっちをするというのは人間しかできないという事もあってそこに魅力を感じる。
しかも、主人公の誕生日プレゼントとしてという場面ですからね~・・・あいされてるなぁ。


・美桜ルート
主人公の幼馴染で神社の巫女さん。 巫女服可愛いです。
彼女が恋ができない理由。 それは体質による、異性に触れられないこと。
しかしそれには理由もあった。

ルート的には比較的シリアス要素は少ない。 むしろ美桜のBL妄想要素が全体の4割を占めているといっても過言ではないくらい。
わずかなシリアス要素といえば、その触れられない体質のせいで、付き合ってからギクシャクする期間があるくらいですね。 お互いが触れないように距離を取ろうと。 しかしこれは、夕莉をはじめ生徒会の面々からいろいろ言われ結局止めることになります。
ストーリーの後半で異性に触れなくなってしまった体質の原因が分かるのですが、それは交通事故でした。
幼いころに主人公が事故にあった。 あの時手をふりら割れても離さなければ、追いかけていれば事故に合わなかったのにと自己嫌悪に陥り、さらに入院の話を聞いたことが加わり、会えなくなるんじゃないかと思ってしまう。そんなことがあった故に主人公に、そして異性に触られると、そのことを思い出し泣いてしまうというのが原因でした。
ラスト、過去の事故再燃とばかりに交通事故に遭うシーンがあるのですが・・・まさかそれが体質の解決になるとはさすがに予想はできなかったですよ・・・? 目には目を、歯には歯を・・・とは違いますが、トラウマにはトラウマを持って打ち勝てってやつですね。
無題1346

・・・それにしても、美桜ルートは本当に話が分かりやすすぎますね。 逆に書くことが無いです。

Hシーン数は3つ。
シチュエーションは、お風呂場・美桜の部屋・神社の境内 です
神社の境内はもちろん巫女服の着衣となっております。 巫女服ってエロいね。


・こなみルート
兄である主人公に下着を見られても裸を見られても全く気にしないほど、異性の意識を持っていないこなみ。 亡くなった父譲りで将棋が趣味。

個人的にかなり好きなルート。 単に私が妹ルートが好きというだけかもしれないですね。

ストーリー上でかなりのブラコンであることが明かされますが、これがこなみの恋ができない理由じゃないかなと思ってます。 他のキャラほど明確に提示されてないんですよね・・・

このルートではそんなブラコンが極まって兄に告白しちゃう近親ルートとなります。シリアスシーンもそれに伴ったもの。
他ルートに比べて、完全に兄一直線でこなみのブラコンっぷりを際限なく発揮してるシナリオなので特筆することも特になく。
中盤で生徒会の面々に付き合ってることを報告するが、夕莉だけはどうしても認められない。 もちろんそのことは想定のうちで、兄妹は生徒会の辞表を提出。 しかし会長の杏はこなみとの将棋を持って決めようと提案する。 こなみはそれを承諾し対局、そして兄の応援もあり勝利し辞表を提出するが・・・・。

恐らくここが一番杏のめちゃくちゃっぷりが出てる所かな。 辞表は破り捨てるしなんかもうあっけからんとしてるし。底知れない人ですね。
終盤、母にエッチしてる所知られ、家庭内協議に発展。最後には離別することになる。(別れたわけではない。 あくまで学校を別にするという措置)

しかしわからないのは、母(葵)は結局認めたのかというところ。 ラスト場面では言葉の上では認めたように思えるのですが・・・如何せん、本心を語られてないので分からないですね。(離別会議のところで、認められない というのは分かりますが、その後が不明)

それにしても、三年越しの再会でもしっかりと愛があるあたり流石兄弟ですね。
無題1345
・・・にしても、このCGの兄、イケメン過ぎますよ・・・。

Hシーンは3つ
シチュエーションは、寝起きフェラ・対面座位・保健室で となります
今まで結構な数の妹ゲー・妹ルートやってますけど、妹の寝起きフェラっ実はそんなに多くない印象があるんですよね。
シチュとしてはわりとベタなのに何でだろうね?


・杏ルート
「しゃべらなければ完璧」を絵にかいたような人。人にやさしくするのも好き、からかうのも好きという何とも面倒な人自由な人。
杏ルートではこの作品のキーキャラであるティナについても多く語られます。
まずこのルートに於いて重要なことは彼女の存在というか正体。同時にそれが彼女が恋ができない理由にもなってます。

彼女――杏の正体は、死神と人間のハーフであること。 もうこの時点で大体わかると思います。 そう、ティナも死神ですね。 そして家でしたと言っていました。
ティナがもともと住んでいた・・・一緒にいたのは杏のところです。 そこで死神としての経験を積んでいたのですが、まだ幼いティナの身に余ることであったのもまた事実。 結果、逃げ出して主人公の家に居候することになった。
さて、杏は死神と人間のハーフという事ですが、杏はいわば人間としての人格。 死神としての人格はエレオノーラというキャラになります。
一応二重人格ともいえるのか・・・は微妙なところですね。 もっとも、入れれ代わる時に髪の色が変わったりするのは死神だからという事で納得しています。 ちなみに杏の人格のときにでも、死神の能力は使えるので、いわば、エレオノーラは死神としての仕事をするのに最適化された人格といえるかもしれないですね。

さて、ここまでの時点でティナが杏/エレオノーラと関係が深いことは十分にわかるのですが、共通で現れる桜色の女性についてもここで触れられます。
桜色の女性――彼女はティナの姉であるリィナ。 死神として生れ落ち、ティナと共に杏/エレオノーラの下で訓練を積んでいた。
しかし、リィナは消えてしまう。 何故か。

それこそティナが主人公の家に逝った理由であり、主人公が桜色の女性を見た理由であり、この作品のすべての始まりにあたることでした。

察しのいい人は読み進めていると見当が付いたかもしれません。 そう、リィナは自らの魂を主人公に渡したのです。
魂の消失=完全な死としてみるのであれば、それは死神であっても同様なわけです。

主人公が見たのは、自らの魂を採っていくリィナであり、自ら魂を与えるリィナの姿だった訳ですね。
そんなこともあり、ティナは主人公をリィナの生まれ変わりとしてみている節もあり、ここに居候したという理由の様です。

話を戻して、このルートでは上に述べたものに加え、杏とエレオノーラの信頼関係を描いています。

杏はエレオノーラに恋をしてほしい。
エレオノーラは暗に幸せになってほしい。

その2人の意見の差、意識の差から喧嘩もありますし、ついには杏が自らを閉じ込め表に出なくなってしまう。
それを解決するために、同じ死神の一人、ヒューベリオンに何か案はないかと問う。帰ってきた答えは、エレオノーラに魂を捕り込んでもらい、直接杏に会いに行くという方法。 しかしこれには失敗のリスクもあり、失敗すれば主人公はもう二度と帰ってこれない。
そんなハイリスクにもかかわらず主人公はエレオノーラに頼み、杏と話をし、エレオノーラも加わり無事解決へと事を運んでいく。

ストーリー中でエレオノーラからも好意を寄せられた主人公はこれからどうするのか。 
杏を愛するが、エレオノーラもちゃんと・・・  
それが答えだった
無題1348


Hシーン数は4
シチュエーションは、生徒会室、寮の浴場、エレオノーラ、プール となります

エレオノーラともしてるあたり、これは3Pとかできそうですね・・・両方が起きている場合、一方の状況はもう一方にも伝わるみたいですし・・・。
杏「エレばっかずるい! 私にも代わりなさいよ」
エレ「まてっ、今日は私の番だろう!?」
杏「いいじゃない、私たちは一心同体。二人で気持ち良くしてあげましょ?」

みたいなね?


・ティナルート
主人公のロリコン発症ルート
このルートで語られることは多くはありません。杏ルートの補足的位置づけにあると思います。
さて、死神は永遠の刻を生きる存在ですがそれはなぜか。
それは魂に蓄えられた記憶を食べる存在だから。

つまり、死神たちは魂から記憶を食べて永遠の時間を生きていたわけです。
ただし不老不死というわけではなさそうですね。 記憶を食べなければ次第に衰え、やがては消えていきます。
ティナルートはそんな優しすぎるティナと主人公が結ばれるも、最後にはティナが消えてしまう。 そんなルートです。

なお、このルートでは爽の意外な親戚関係が明かされます。 そして、双がポチャ好きになった原因も。ここでは書きませんが。

ちなみにティナは最後に復活します。 その時、ティナが聞いた声は一体なんだったのか。ティナはリィナ化と思ってるようですが・・・さて?
無題1349

Hシーン数は4
シチュエーションは、全部主人公の部屋ですね。
うしさんパジャマをきたままフェラしている以外は全部全裸です。

チッパイとロリを楽しみたいならいいですが・・・私にとってはちょっと微妙なシーンでしたね。




グラフィック
『ましろ色シンフォニー』で原画を担当された和泉つばす先生が今回の原画です。
つばす先生のえは可愛くて好きなんですよねぇ。 今回のがかなり期待の新作になった原因はこのつばす先生効果というのも一因かと思う。
作品の顔ですからね、それが高クオリティであればそれ相応の対価は帰ってくるものです。

ちなみには私はこなみ一筋ですのでry


BGM
春を彷彿とさせる爽やかで軽快なテンポの曲が多いですが、シリアスな場面ではしっかりとシリアス感を出しててくれる曲となっており。場面のメリハリはついてました。
ただ、「春を彷彿とさせる爽やかで軽快なテンポの曲」といってもそれは日常曲であり、シーンの重要な場面、ストーリー上の重要な局面ではどこか哀愁のある静かな曲を用いている点を見ると、恋に対する意識の変化・・・過去との決別を意識させる、そんなつくりになっていたかなと思います。

・・・まぁ、私はBGMについては詳しくもないので、自分の思ったことを述べるまでですね。


総評
ぱれっと期待の最新作。 という事で期待を込めていた作品ではありました。
そして、私の期待を裏切らない作品のクオリティ、BGM、グラフィック・・・
どれをとっても最高でしたね。
個人的には立絵観賞があるというのがすごくうれしい。 のですが、衣装によって背景が固定されてしまうのはちょっと残念ですね。 どうせならもうちょっと自由度がほしかった。
BGM観賞のところでも、曲を再生するのが少々手間というのがある。 リスト化して選んだ曲のみを再生できるという機能はいいと思うけど、逆にそれがちょっと手間になってるかな。 ただ、BGM自体はとてもいいものに仕上がってたので、飽きることはないですね。(この記事書くときもずっと再生してましたし)

個人的なストーリーの好みは、美桜<ティナ<杏<夕莉<こなみ です。
美桜ルートはつまらなくはないけど、ちょっとだけ展開が無理やり過ぎるところもあったかなと。
・・・いえ、ぶっちゃけ、いちゃもん付ける要素ほとんどないですが。 

ということで総評
ストーリー:90点
BGM:92点
グラフィック:100点
システム面:85点

総合:91点
私の中では上半期1番の作品ですね。今まで若干不振が続いていたぱれっとがこのまま返り咲くか、はたまたまた陥るのかは分かりませんが、次回作も期待して待つとして、今作のレビューは終わります。


ここまでの閲覧有難うございました。
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無題1350
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